箴言30-31; Ⅱコリント11:1-15

箴言

第30章

30:1マッサの人ヤケの子アグルの言葉。
その人はイテエルに向かって言った、
すなわちイテエルと、ウカルとに向かって言った、
30:2わたしは確かに人よりも愚かであり、
わたしには人の悟りがない。
30:3わたしはまだ知恵をならうことができず、
また、聖なる者を悟ることもできない。
30:4天にのぼったり、下ったりしたのはだれか、
風をこぶしの中に集めたのはだれか、
水を着物に包んだのはだれか、
地のすべての限界を定めた者はだれか、
その名は何か、その子の名は何か、
あなたは確かにそれを知っている。
30:5神の言葉はみな真実である、
神は彼に寄り頼む者の盾である。
30:6その言葉に付け加えてはならない、
彼があなたを責め、あなたを偽り者とされないためだ。
30:7わたしは二つのことをあなたに求めます、
わたしの死なないうちに、これをかなえてください。
30:8うそ、偽りをわたしから遠ざけ、
貧しくもなく、また富みもせず、
ただなくてならぬ食物でわたしを養ってください。
30:9飽き足りて、あなたを知らないといい、
「主とはだれか」と言うことのないため、
また貧しくて盗みをし、
わたしの神の名を汚すことのないためです。
30:10あなたは、しもべのことをその主人に、
あしざまにいってはならない、
そうでないと彼はあなたをのろい、
あなたは罪をきせられる。
30:11世には父をのろったり、母を祝福しない者がある。
30:12世には自分の目にみずからを清い者として、
なおその汚れを洗われないものがある。
30:13世にはまた、このような人がある――
ああ、その目のいかに高きことよ、
またそのまぶたのいかにつりあがっていることよ。
30:14世にはまたつるぎのような歯をもち、
刀のようなきばをもって、
貧しい者を地の上から、
乏しい者を人の中から食い滅ぼすものがある。
30:15蛭にふたりの娘があって、
「与えよ、与えよ」という。
飽くことを知らないものが三つある、
いや、四つあって、
皆「もう、たくさんです」と言わない。
30:16すなわち陰府、不妊の胎、水にかわく地、
「もう、たくさんだ」といわない火がそれである。
30:17自分の父をあざけり、
母に従うのを卑しいこととする目は、
谷のからすがこれをつつき出し、
はげたかがこれを食べる。
30:18わたしにとって不思議にたえないことが三つある、
いや、四つあって、わたしには悟ることができない。
30:19すなわち空を飛ぶはげたかの道、
岩の上を這うへびの道、
海をはしる舟の道、
男の女にあう道がそれである。
30:20遊女の道もまたそうだ、
彼女は食べて、その口をぬぐって、
「わたしは何もわるいことはしない」と言う。
30:21地は三つのことによって震う、
いや、四つのことによって、耐えることができない。
30:22すなわち奴隷たる者が王となり、
愚かな者が食物に飽き、
30:23忌みきらわれた女が嫁に行き、
はしためが女主人のあとにすわることである。
30:24この地上に、小さいけれども、
非常に賢いものが四つある。
30:25ありは力のない種類だが、
その食糧を夏のうちに備える。
30:26岩だぬきは強くない種類だが、
その家を岩につくる。
30:27いなごは王がないけれども、
みな隊を組んでいで立つ。
30:28やもりは手でつかまえられるが、
王の宮殿におる。
30:29歩きぶりの堂々たる者が三つある、
いや、四つあって、みな堂々と歩く。
30:30すなわち獣のうちでもっとも強く、
何ものの前にも退かない、しし、
30:31尾を立てて歩くおんどり、雄やぎ、
その民の前をいばって歩く王がそれである。
30:32あなたがもし愚かであって自ら高ぶり、
あるいは悪事を計ったならば、
あなたの手を口に当てるがよい。
30:33乳をしめれば凝乳が出る、
鼻をしめれば血がでる、
怒りをしめれば争いが起る。

第31章

31:1マッサの王レムエルの言葉、すなわちその母が彼に教えたものである。
31:2わが子よ、何を言おうか。
わが胎の子よ、何を言おうか。
わたしが願をかけて得た子よ、
何をいおうか。
31:3あなたの力を女についやすな、
王をも滅ぼすものに、あなたの道を任せるな。
31:4レムエルよ、酒を飲むのは、王のすることではない、
王のすることではない、
濃い酒を求めるのは君たる者のすることではない。
31:5彼らは酒を飲んで、おきてを忘れ、
すべて悩む者のさばきを曲げる。
31:6濃い酒を滅びようとしている者に与え、
酒を心の苦しむ人に与えよ。
31:7彼らは飲んで自分の貧乏を忘れ、
その悩みをもはや思い出さない。
31:8あなたは黙っている人のために、
すべてのみなしごの訴えのために、口を開くがよい。
31:9口を開いて、正しいさばきを行い、
貧しい者と乏しい者の訴えをただせ。
31:10だれが賢い妻を見つけることができるか、
彼女は宝石よりもすぐれて尊い。
31:11その夫の心は彼女を信頼して、
収益に欠けることはない。
31:12彼女は生きながらえている間、
その夫のために良いことをして、悪いことをしない。
31:13彼女は羊の毛や亜麻を求めて、
手ずから望みのように、それを仕上げる。
31:14また商人の舟のように、
遠い国から食糧を運んでくる。
31:15彼女はまだ夜のあけぬうちに起きて、
その家の者の食べ物を備え、
その女たちに日用の分を与える。
31:16彼女は畑をよく考えてそれを買い、
その手の働きの実をもって、ぶどう畑をつくり、
31:17力をもって腰に帯し、その腕を強くする。
31:18彼女はその商品のもうけのあるのを知っている、
そのともしびは終夜消えることがない。
31:19彼女は手を糸取り棒にのべ、
その手に、つむを持ち、
31:20手を貧しい者に開き、
乏しい人に手をさしのべる。
31:21彼女はその家の者のために雪を恐れない、
その家の者はみな紅の着物を着ているからである。
31:22彼女は自分のために美しいしとねを作り、
亜麻布と紫布とをもってその着物とする。
31:23その夫はその地の長老たちと共に、
町の門に座するので、人に知られている。
31:24彼女は亜麻布の着物をつくって、それを売り、
帯をつくって商人に渡す。
31:25力と気品とは彼女の着物である、
そして後の日を笑っている。
31:26彼女は口を開いて知恵を語る、
その舌にはいつくしみの教がある。
31:27彼女は家の事をよくかえりみ、
怠りのかてを食べることをしない。
31:28その子らは立ち上がって彼女を祝し、
その夫もまた彼女をほめたたえて言う、
31:29「りっぱに事をなし遂げる女は多いけれども、
あなたはそのすべてにまさっている」と。
31:30あでやかさは偽りであり、美しさはつかのまである、
しかし主を恐れる女はほめたたえられる。
31:31その手の働きの実を彼女に与え、
その行いのために彼女を町の門でほめたたえよ。


Ⅱコリント

第11章

11:1わたしが少しばかり愚かなことを言うのを、どうか、忍んでほしい。もちろん忍んでくれるのだ。11:2わたしは神の熱情をもって、あなたがたを熱愛している。あなたがたを、きよいおとめとして、ただひとりの男子キリストにささげるために、婚約させたのである。11:3ただ恐れるのは、エバがへびの悪巧みで誘惑されたように、あなたがたの思いが汚されて、キリストに対する純情と貞操とを失いはしないかということである。11:4というのは、もしある人がきて、わたしたちが宣べ伝えもしなかったような異なるイエスを宣べ伝え、あるいは、あなたがたが受けたことのない違った霊を受け、あるいは、受けいれたことのない違った福音を聞く場合に、あなたがたはよくもそれを忍んでいる。11:5事実、わたしは、あの大使徒たちにいささかも劣ってはいないと思う。11:6たとい弁舌はつたなくても、知識はそうでない。わたしは、事ごとに、いろいろの場合に、あなたがたに対してそれを明らかにした。
11:7それとも、あなたがたを高めるために自分を低くして、神の福音を価なしにあなたがたに宣べ伝えたことが、罪になるのだろうか。11:8わたしは他の諸教会をかすめたと言われながら得た金で、あなたがたに奉仕し、11:9あなたがたの所にいて貧乏をした時にも、だれにも負担をかけたことはなかった。わたしの欠乏は、マケドニヤからきた兄弟たちが、補ってくれた。こうして、わたしはすべての事につき、あなたがたに重荷を負わせまいと努めてきたし、今後も努めよう。11:10わたしの内にあるキリストの真実にかけて言う、この誇がアカヤ地方で封じられるようなことは、決してない。11:11なぜであるか。わたしがあなたがたを愛していないからか。それは、神がご存じである。
11:12しかし、わたしは、現在していることを今後もしていこう。それは、わたしたちと同じように誇りうる立ち場を得ようと機会をねらっている者どもから、その機会を断ち切ってしまうためである。11:13こういう人々はにせ使徒、人をだます働き人であって、キリストの使徒に擬装しているにすぎないからである。11:14しかし、驚くには及ばない。サタンも光の天使に擬装するのだから。11:15だから、たといサタンの手下どもが、義の奉仕者のように擬装したとしても、不思議ではない。彼らの最期は、そのしわざに合ったものとなろう。


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